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子供たちの声は聞こえますか?

  • 母乳である環境

 乳幼児期の子供が、その良し悪しに関わらず親の言動をスポンジが水を吸うように吸収する姿を見ていると、意識せずとも親が、そして生活環境が日々与え続ける子供への影響は計り知れないものがあると実感せずにはおれません。



  • 「日常」の大切さ



 長い年月により形成された歪みはじっくり時間をかけて解いていくべきであり、日常生活において歪みを芽生えさせないようにすることが何よりも大切なことです。それには先ず“日常”を考えることから始める必要があります。日常の出来事とは普通の出来事ですが、普通=無難・無害では決してありません。


 普通の出来事が自分や子供にとってプラスになっているのか、あるいはマイナスになっているのか。その差は、日々の生活の中ではほんの僅かなものであっても、長い年月の中では無視し難い大きなものとなり得るのです。日常における家庭内の生活環境を見直し、必要があれば改善する。そういった地道な取り組みの積み重ねが、近い将来実を結んでいくのではないでしょうか。

  • 家が心や脳に与える影響

 居場所によって気分が左右されるという経験は、多かれ少なかれ誰もがもっていると思います。その場の形や広さ、素材の持つ肌触り、色、音、匂い、明かり、視界の広さ。その空間が持つ特徴に多大な影響を人は絶えず受けています。縁側で安らぎを感じる人もいれば、屋根裏部屋のような空間で落ち着きを感じる人もいます。また、整頓された真っ白なきれいな部屋にいてもイライラを感じることもあるでしょう。自覚しているか否かには関わらず、視覚をはじめとする五感から得る情報により人は常に精神状態を大きく左右されているのです。住環境が、人の寿命に影響を及ぼすことや、マウスの赤ちゃんの生存率を大きく左右するという研究結果も報告されています。

 まさに日々の生活を糧に身体も心も成長している我が子のために、何か出来るというのが親の立場です。私たち親が疲れているその間も、子供たちはその時々を体に吸収し、心に刻んでいます。子供が子供でいれる時間には限りがあります。決して長くはないその時間が、その後の人生を左右する人格を形作るのです。週末に、公園で遊んだり、遠出をして自然に触れたりすることはとても大切です。ただ、日々の生活の中での1つ1つの体験を大切にしてこそ、その効果が血となり肉となるのではないでしょうか。

  • 「家」を豊かに

 日々の生活の舞台である家。その家の中での体験の数々を少し豊かなものにすることで大きな違いが生まれます。建築が、特に家が、人の心のケアを図る精神空間としての役割を担うべき時ではないでしょうか。こんなふうに言うとなんだか大層に聞こえるかもしれませんが、現状を見つめなおすことから始め、出来ることからやっていけばよいと思います。

 散らかっていた家の中を整理整頓することで、それまで情緒不安定だった子供が一変落ち着いたという事例を聞いたことがあります。そのほか、部屋の色について考えてみる。壁や天井の色というわけではなく、カーテンやベッドの布団カバーの色であっても構いません。朝日や風や雨の音といったものについても考えてみる。照明器具の電球の種類について考えてみる。費用もさほどかけることなく、すぐにでも出来ることは意外に多くあります。そして、家族が住む場所について家族で考えることそのものが、大きな一歩ではないでしょうか。

 個の取り組みだけで社会全体を変えることは難しいですが、一家庭の事例が数軒へ増え、それが街へ地域へと広がれば自然と社会環境は改善されていくことだと思います。また、建築の枠を超えて、保育、教育、医療、文学、科学などの異なる分野において、同じ目標に向かってそれぞれの特徴を生かした取り組みが行われたり、互いに協力して活動できるのであればどんなに心強いことでしょう。これを読んでいただいている方々の個々の取り組みといつか1つにつながり合うことを願っています。